骨年齢が130歳

By saraswati, 2019年6月24日

<宇宙飛行士の骨密度について>

話がフィクションになりますが、先日、アメリカの連続ドラマを見ていて、骨の年齢が130歳の死体が出たと、130歳ということは、宇宙飛行士ではないかというところから話がスタートする物語です。その死体の宇宙飛行士は、10カ月宇宙にいて骨密度というか、年齢が130歳になった、それで宇宙に長く人類が滞在できないのは、骨密度が低下するせいで、それを伸ばすために人体実験をしたのではないかという話が、ドラマの主な話でした。
この前、若田さんは4カ月ですか、この後もそれぞれの宇宙飛行士が6カ月くらい滞在するということで、たしか10カ月か12カ月だったか、それで130歳になるのなら、4カ月、6カ月の滞在ではどのくらいになるのでしょうか、勿論フィクションだと思いますが、実際にはどのくらいなのでしょうか。

長谷川:骨密度の話や骨とか筋肉の老化を防ぐための研究がひとつのミッションで行いました。向井千秋さんがその研究室長をしていることもあり、外部の方とも相談しながら、寝たきりの方に応用できるようにしようという目的で行いました。まず、若田さんとNASAの宇宙飛行士が協力してくれましたが、骨になるカルシウムの排出を防ぐと同時に、減った分をサプリメントで補っていこうということで、先生方と相談しながら、1週間に一度錠剤を飲んでもらいました。これはかなり効いたみたいです。それだけではなく、運動と両方合わせて、排出が意外と抑えられたということがあります。特に寝たきり、地上と比べて宇宙に行くと重力がないのでどんどんカルシウムが排出します。そのため、宇宙ステーションの宇宙医学の目的の一つとして、加速試験の検体として宇宙飛行士に協力してもらっています。骨もそうですが、筋肉もどんどん衰えます。地上で2週間寝たきりになった時よりももっと早く進むので、これを防ぐためには、サプリメントで補うと同時に、毎日2時間、2時間半の運動が必ず必要です。若田さんの場合は真面目に全部やったこともあり、非常にいい結果になったそうです。そういうことをしながら実際にサプリメントがどの程度うまく効くかというのは、1人、2人ではわからないので6人、7人、10人くらいやらないといけないそうです。これをいろいろな宇宙飛行士にやってもらうようにしています。

<宇宙で筋力トレーニングをしないとどうなるか?>
宇宙ステーションに行ったとき、筋肉を保つ運動をすると聞いたのですが、もし、運動をしなかったら地球に戻ってきてどうなるのですか。
長谷川:ミールという宇宙ステーションがあり、昔、およそ6か月、1年、ロシアの宇宙飛行士を長期滞在させた経験があります。当初は、運動を余り強制的にやっておらず、半年経って、ロシアのソユーズの宇宙船で帰ってきたら立てませんでした。膝と腰が弱くなっており、病院でリハビリを始めるしかなかったのです。今は大分変わりましたが、今でもソユーズで数年前に帰ってきたロシアの宇宙飛行士は自分で外に出られなく、抱えられて出てきました。NASAの宇宙飛行士は、運動を1日2時間半強制的に自転車こぎ等をやっています。そうすると自分で歩けます。その差がすごく大きいので、国際宇宙ステーションのメンバーのうち、アメリカ、日本、ヨーロッパの宇宙飛行士は、必ず1日に2時間ないし2時間半運動をすることをメニューにしています。そのため、若田さんも野口さんもアメリカの宇宙飛行士も必ず運動しています。それでも、NASAの宇宙飛行士が帰ってきて、記者会見の壇上に立とうとしたら、よろけて倒れてしまったということがありました。運動をしないでかつ長く宇宙に滞在すると、足腰が完全に弱ります。運動は絶対にやることと、リハビリは早くやった方がよいです。筋肉や骨がすかすかになってくるので、そこにサプリメントの錠剤などで補ってあげないと、非常に体が弱くなり戻るのに更に半年くらいかかるということになります。若田さんは、実は帰ってきてからリハビリが45日必要だったのですが、彼は帰ってきたときに既に元気でした。45日間のリハビリが要らない状態でしたので、本人はイライラしていて、早く外に出たいと言っていました。彼の場合は、サプリメントを飲んで運動をこまめにし体調が非常によかったので、今後もこのメニューを取り入れていこうという方向になるかと思います。

この記事から容易に分かる事は、

・普段から運動していない人は、カルシウムサプリメントを摂るべきである。

・入院していたり、寝たきりだったり、自宅で寝て過ごす事が多い生活の方は、さらにもっと多くのカルシウムサプリメントを摂らなければ明日は無いと考えるべきである。

ということです。また、こういった生活をしている方は、「運動をしたくても出来ない骨になっている」ともいえます。いくら運動しなさい、といっても出来ないのです。無理矢理に運動すると骨折などのリスクが高いことを知っている脳は非常に賢くて、”やる気を起こさせない”という予防策をとっているとも言えます。

つまり、運動が先か、カルシウムが先か、でいうとカルシウムが先なのです。

また、摂ったカルシウムはもちろん、骨になってなんぼですから、

・吸収率が高くて、

・かつ吸収スピードがゆっくりとしているイオン化していないカルシウム

これを善玉カルシウムと呼んでいますが、こういったタイプのカルシウムサプリを選ぶようにしましょう。

風化した貝化石のカルシウムはまさに善玉の条件にピッタリです。

14,100円(内税)